幼少期に痛いと分からず作った傷跡は
今はただ静かに刻まれているだけなのに
満たされないものに我慢してきた心の傷は
今もなお密かに痛む
時間が解決すると信じてみたけれど
時間が教えてくれたものは
その傷の深さだったように思えた
それでも何かを信じたい
それでも誰かを愛したい
そして愛していると叫びたい
ただそれを止めるのは
嫌われたくないとか
捨てられたくないとか思う
カオスたる自分自身の内奥
打破すべき壁
そして渇望する
いつの日か人の傷に
体の傷に心の傷に手を当てて
それさえも守りたいと思えたなら
それさえも愛おしいと思えたなら
その人を心から大切な人と思おうと
力の限り守っていこうと
そうして
叫ぼうとも囁やこうとも
自信に満ちた声で、意思で、感情で、
その愛を伝えたい
