そんなつもりじゃなかった
ただ愛されたかっただけなのに
泣くでも笑うでもないまま
締め付けてくる熱帯夜
綺麗じゃなくてもよかった
ただ愛したかっただけなのに
なんて言い訳も出ないまま
纏わり付いてる嫌悪感
あの時とかって言う
戻れない時間は振り返らない
だけど目の前が歪んでる
美しい満月なのに
探すさがすサガス
心を突き刺す誰かを探す
日常という慣例に溺れて
不感症になりそうな真ん中を
探すさがすサガス
私をすくったあなたの両手
その不器用な柔らかさの中で
眠りに就きたいただそれだけよ
今日という1日を穏やかに
終わらせたいただそれだけなのに
生きた年月ならばもう十分に大人だけれど
愛についてはまるで幼い子供のように
見つかりやすいように隠れては
誰より先に見つけてよって
駄々こねるように願うhide and seek
幸せを手にしたい訳じゃない
毎日に不満で潰されそうな訳でもない
ただ朝が来るたび
色褪せて、ただ足りなくて
両手ですくった水を眺めても
付けた腕時計に伝った水滴は落ち
無意識に見つめる焦燥感
独りの私に立ち戻ると
心が私を締め付ける
だから逃げるにげるニゲル
迷いの森を駆け抜けても行き着かない
にげる私も嫌い 迷う私も嫌い
だけど、そもそも逃げてるつもりもない
誰かに言って欲しい
「この手を掴め」と
「掴んだら離すなよ」と
「あとは任せてくれていいから」と
柔らかな愛に飼育されたい
溺れてしまうその前に
