あなたの為に わたしは布に
ちいさな針を 刺して紡ぐ

あなたに喜んでほしくて
慣れない何時間も毎秒いとおしい
針に糸を通すあの瞬間でさえ

不器用に
縫い合わせることも
想い続けて待つことも
我慢でなく愛なんだと信じていた
きっとふたりの為に

なのに訪れたこの結末
だけど何か想う時間もなく
現実という穴に落とされて
闇の底にいつの日かの針が光る

あなたの嘘が わたしの心に
おおきな穴を 広げていく

その穴があなたを想って
手にしたあの針の穴だったら
どんなに簡単な愛だっただろう

都合良く
交わることもなく
紡いだ布に包まって
我慢でなく愛だったと言い聞かせる
ぜんぶわたしの為に

なんて音ズレたこの結末
だけど中途半端なんかじゃなく
末(おわり)を結んで終わったから
闇の底で泣き疲れてそっと眠る

私の穴に通る糸が
空から垂れるその日まで

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