夜に食べ残したピザを齧(かじ)って今日の朝食にした
完成された音楽を止めて 生温い機械音に包まれた
愛用の口紅が疑心暗鬼な彼女に囁く
「渇望のし過ぎ。だから私は居るの…?」

体内(からだ)には珈琲と煙草の煙(かおり)
綺麗な奈落の桃色(ピンク)な心
留守電には三号の声「おはよう」

もう声も掛けないで 冷たい目で
答の出ないワタシを嘲(あざけ)て見詰めて
立ち止まった今を後悔しながら次に歩くの
其れでも未だ液状の中で腐朽する化育で…

哲学的思想論(イデオロギー)なら夜中に横議してれば好い
出来る返事は繊細な御座成り 映像(テレビ)観る様に受動的
「関係の無い大人なら要らない」夢見て呟く
「希望を持つには、今は時間が掛かるの…」

対応も無いし危機感も存在(みえ)ない
貴方は都合良いだけの人だから
優しい瞳(め)で宥恕(ゆうじょ)しないで「ごめんね」

もう喋らないで在(い)て 私の中(ここ)に来ないで
何も要らない 雑駁な日々を殺して
立ち止まった今を後悔しながら次に歩くの
其れでも復(また)、同じ道へ続く煙霧の中へ…


何時でも御高く留まる苺を潰して微笑(わら)った
それがワタシ自身だった事にも気付かず…
今更、紅い手でケーキに触れるワタシの心情は
きっと本物の快晴(はれ)を知らない重箱日和


体内には珈琲と煙草の煙
其れでも、もう簡単には捧げない
感情なんて今は要らない「さよなら」

もうジャレ合って在ないで 心臓(ここ)を貫いて
夢見る少女 貞操なんて知らない
立ち止まった今を後悔しながら次に歩くの
其れでも復、見上げてる 淀む都会(まち)の空で
もう声も掛けないで 冷たい目で
未来を見据えたワタシを嘲て見詰めて


02.10.17

*REVOLVER dino network 投稿 | 編集