ひとつする瞬き
閉じて開くと、閉じる前も
閉じている瞬間も
こうして無駄を考えている間も

一瞬にして過去となる

今は次々と過去となり
その殆どは忘れ去り、灰の様に風に消える
そして、最後の一瞬に辿り着くだけの様に感じる
…虚空、虚偽、恐怖。

僕らは何の為に生きているのだろうとさえ過る

涙を殺して、笑顔を捨てて、
その場に今求められている感情を
僕らは「こころ」などと
それっぽい顔して誰かにこれが本音だと
虚言を吐く

そうやって、その程度でまた
生きるという事に迷ってしまう程の
か弱い人間だと、瞬きの中で知らされる


どうか僕が感情を何処かに隠した時には
誰か僕の鼻を抓んで欲しい
今こうして多少意識し生きていて
呼吸をしている事を教えて欲しい

どうか僕が感情で誰かを傷つけた時には
誰かこの頬を叩いて欲しい
今こうして迷いながらも生きていて
過ちを犯している事を教えて欲しい


僕は、
そうやって、誰かが垂らしてくれる糸の様な
昔は下らないと背けていた繋がりに本当は
しがみ付きたくて仕様が無かったのかも知れない


僕らは何の為に生きているのだろうと
もしもまた、そう思う時が来たならば

誰か生きる理由になって欲しいと強く願う
出来るだけ笑える様に、絶望も失望も
なるべくその淵までで留まれる様に


そうやって、心の奥の優しさに触れ
生きる事は決して一人では出来ないのだと、
瞬きの中で知らされる

それでも未だ、感情を越え流れる涙は
生ぬるく、作った笑顔のその上を伝う


瞬きなどただの一瞬の出来事
そしてまた、人も一瞬で終わる
しかしまた、人は一瞬で変わる

そうやって、自分の心の奥に触れ
生きる強さは、涙して静かに強くなるのみと、
僕らはそんな心通い合わせる生命体だと、
瞬きの中で知らされる


一瞬も長い長い瞬きひとつ
そうすればきっとこう思えるだろう
僕は生きる楽しさを見つけたのかも知れない、と

その瞬きのその中で…


ひとつする瞬き
閉じて開くと、閉じる前も
閉じている瞬間も
こうして無駄を考えている間も

一瞬にして過去となる

今は次々と過去となり
その殆どは忘れ去り、灰の様に風に消える
だが、最後の一瞬に辿り着くだけとは捕らえず
…幸、不幸、愛、裏切り、心。


その核心に触れ掴んだもののみを
僕らは脳裏に確り焼き付けて
刻々と時は過ぎ去る
瞬きの中に眠るものを揺さ振り起こすのは
他の誰でもない、


他の誰でもない。


*REVOLVER dino network 投稿 | 編集