年の瀬には腕時計が欲しくなる
輝くショーウインドウが
どこか綺麗に見えるから

スーツを着ると腕時計が欲しくなる
疲れたサラリーマンだって
少しは真面に見えるから

黙っていても刻むもの「時間」
全てがそれらで動くもの
次の電車やバスだって
Time to time ただ立ち止まる

そうして結局
左手に巻かれる物はない
軽く嫌気が差すだけだから

記念日には腕時計が欲しくなる
遍くその思い出が
刻めるように見えるから

後悔すると腕時計が欲しくなる
壊れたこの関係だって
戻せるように見えるから

唯一いつでも平等なもの「時間」
全てがそれらで動くもの
次のテレビやラヂオだって
Time to time また立ち止まる

そうして結局
左手に巻かれる物はない
軽く嫌気が差すだけだから

きっと予定を立てるために
確証を欲している
時間を無駄なく使うための
確証を欲していく

はたまた
みんなと一緒というための
確証をが欲しい欲しいと
じゃないと
みんなと自分がズレていないか
どこかで時間が怖くなるから

孤独な時には君の心が欲しくなる
輝く優しい笑みが
とても綺麗に見えるから

スーツを脱ぐと君の体が欲しくなる
疲れた仕事帰りだって
とても素敵に見えるから

愛し合えれば止まるもの「時間」
全てがそれらで決まるもの
想いと行動次第だって
Time to time ふと立ち上がる

そうして結局
左手に巻かれる物はない

そんな必要は要らなかったから
確証なんて要らなかったから
僕の左手に巻かれる物は
君の右手だけで充分だから



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