今日も使われるばかりのバイトが終わって
当たり前のようにタイムカードで管理されるけど
そんなの関係なく疲れたから帰ってメシ食って寝よう

今夜はアイツがこっちに来るっつってたから
惣菜は買わずこのまま帰れるなぁ
なんて、一緒に夕食済ませては繋ぐふたりの手

今大切な人を抱きしめた時に
感じる安心感と存在感、愛の絶頂は
それが終わると嘘のように溶けていく

まるで一流すシェフの作る高級料理が
舌の奥で消えてくように
そのディナーがパスタだってトリュフだったって
ナイフ捨てて割り箸で食べたりするんだ
そんな僕を見て君はおかしいねと笑う笑顔が
つまりなんだって今になって知ったって
…それが、いつもの温もりだったりしたんだ


傘なんて持ってないのに急に雨が降って
僕は100m先のその軒下まで走るけど
そんなの関係なく顔に刺さるように雨が降り注ぐ

周りには誰もいないし車も走ってない
なんだかいつもより寒く感じるなぁ
なんて、白い息に理解した繋げない僕の両手

愛おしく想う人と別れたその後に
感じるこの後悔と理解らしき愛の結晶は
それが分かると一瞬にして融けていく

まるで有名マジシャンから抜き取ったカードが
裾の先から零れるように
そのカードがジョーカーだってハートのジャックだって
なにを引いたって同じ結果だったりするんだ
けど、その裏では僕には知る由もない努力が
つまっていたって今になって知ったって
…それは、もう冷たい温もりだったりしたんだ

1で切ったって2で切られったって
3を3枚でまた切られたりするんだ
4が4枚で世界変わっても、また
誰かがこれ見よがしにここぞとばかりに
違う4枚で元に戻したりするんだ
そんな貧民、稀に大富豪、
世界動かしたりすんだ

だけど
おかえり。と、ただいま。と
ごめんね。と、ありがとう。の
4枚を切ったって、世界はスカイ彼方に
舞い上がってもう変わらないもんだったりすんだ
それは恋で切ったって縁を切ったって
まだ残る愛だったりするんだ
本当に優しくて強くてって
その心が僕を救うことを知ってたって
初めから理解してた心痛んだ君が居たんだ
そんな富豪、時に大貧民
命乞いしたりするんだ


残った自己愛と君の別れの美しさに
感じる女々しさと未来らしき愛の葛藤は
それが分かると少しずつ解けていく

まるで彫刻名人の氷柱で作る作品が
最後は水になっちゃうように
作品が美しかったってその解け方がイビツだって
水が引いたって心に残る美だったりするんだ
けど、散々彫って傷付けてしまっていたことが
つまりなんだって今になって知ったって
…今はもう、ひとつの温もりだったりするんだ

だけど
おかえり。も、ただいま。も
ごめんね。も、ありがと。も
君に言いたいとかって思わないようにしたんだ
それがなんちゃって、僕にできる精一杯の
償いに似た命乞いだったりするんだ


*REVOLVER dino network 投稿 | 編集