小さな傷が少し痛くて
傷跡は見えないのに
チクチクする痛み。

それを消してくれるのは
包帯でも絆創膏でもなく
マシュマロのような
柔らかな想像の感触。

登りつめた所から
足を踏み外して
空から地面に落ちたとしても
それを受け止めてくれるのは
マットでも毛布でもなく
マシュマロのような
柔らかな妄想の感覚。

食べる訳でも
眺める訳でもなくて、

それは、つまりは、
君に会う訳でも
交わる訳でもなく、
そこに君が居ると思える
柔らかな僕のマシュマロ。

そうやって、
大きな傷は小さくなって、
気付いた頃には
傷跡も消えていく。

最後に「私を忘れないようにね」と
そっと残した
チクチクする痛み。
モヤモヤして嫌いだった痛み。
今はそれも僕のひとつとなって
これから登る空を眺めている。

また柔らかな妄想に触れたくて。

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